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2018年09月09日(日)

家族信託のデメリット

 みなさん、こんにちは。

小田原の家族信託・不動産・相続専門行政書士

長尾影正です。



家族信託を行えば

●財産を所有している本人が判断能力を喪失したあとでも、不動産の売却や大規模修繕、建て替えができるようになる

●家庭裁判所の手続きや許可が不要

●後見制度に比べて費用負担を安く抑えられる

などのメリットがあります。



しかし、家族信託は良いことばかりではありません。

どんな制度でもそうですが、必ずデメリットというものがあります。



①専門家が受託者になることができない

②財産管理を任せることができる、信頼できる人(受託者)がいなければ行うことができない

信託業法上、専門家が受託者になることができません。

家族でなくても、親せきや友人などでも良いのですが、
財産を任せることができる人がいなければ
家族信託を行うことができません。

そのような場合には後見制度を利用して
専門家に財産の管理をお願いするようになります。



③財産を所有している本人に契約能力(意思判断能力)がないと行うことができない

財産を所有している本人が理解できるうちでなければ
家族信託の契約を結べません。

本人が判断能力を喪失したあとでは
後見制度を利用するしかありません。

そのような心配があるなら
早めに対策をしておくと良いでしょう。



④家族全員の同意のもとで家族信託を行わなければ、将来、もめる原因になる

他の家族に内緒で家族信託を行うと
「何で勝手にそんなことをしたんだ」
とトラブルになることがあります。

事前に家族会議を開いて
みなさん承知のうえで
家族信託を行うことをおススメします。



⑤信託した財産と、それ以外の財産で損益通算ができない

賃貸アパートなどをお持ちの方で、
そのアパートの大規模修繕を行って
その年の収支が赤字だった場合に、
家族信託をしていないアパートの黒字と
損益通算ができません。
(信託財産内での損益通算はできます)



⑥家族信託に対応している銀行が少なく、融資を受けるのが難しい

⑦抵当権付きの不動産を信託する場合には債権者である金融機関の承諾が必要

家族信託が最近の制度であることから
金融機関によっては対応が難しく、
信託した不動産を担保に融資を受けたり
承諾を得られない場合があります。



このような点をふまえて
家族信託をご検討いただけると
よろしいのではないかと思います。




2018/09/09 01:06 | 家族信託のデメリット

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